【マラソントレーニング】最大酸素摂取量を向上、VO2maxインターバル走について

最大酸素摂取量を最大限に向上させるトレーニング VO2maxインターバル

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今日のマラソントレーニングメニューはインターバル走です。2kmを3本行う予定。設定ペースは3本とも3’35″/km→3’25″/kmで、リカバリタイムは120秒としています。インターバル走は余りにもキツいので、想像するだけでも今から鬱々です。

インターバル走って「キツくて誰もがやりたがらない」というイメージしかありませんが、果たしてどんな効果があるのでしょうかね。マラソンは基本的に持久力の競技ですから、短い距離のインターバル走なんて実は意味がないのでは…と思ってしまいます。

そんな思いを払拭するために、インターバル走について少し調べてみました。インターバル走の偉大なる効果がはっきりすれば、トレーニング前の鬱々な気分もきっと晴れるはず!? ということで、インターバル走についてまとめてみました(間違っていたらごめんなさい)。

インターバル走の目的は最大酸素摂取量(VO2max)を最大限に向上させること

インターバル走について調べるにあたり、ジャック・ダニエルさん著の「ランニング・フォーミュラ」などを参考にさせていただきました。ランニング・フォーミュラは、本格的な競技者はもちろん、市民ランナーにとってもバイブルです。

ランニング・フォーミュラなどによると、インターバル走の目的は「最大酸素摂取量(VO2max)を刺激し、VO2maxを最大限に向上させること」とのこと。VO2maxを最大限に向上させる目的のインターバル走のことを、「VO2maxインターバル」と呼びます。(VO2maxの最大限向上目的とは別に、負荷をやや落として走行距離・時間を延ばすクルーズインターバル走もあるようですね)。

VO2maxインターバルとして、1本あたり2kmは長すぎる

僕の今日のインターバルメニューは1本あたり2kmに設定していますが、VO2maxインターバル走としては、2kmという距離(・運動時間)は長すぎるようです。 ジャック・ダニエルさん曰く、VO2maxインターバル走の場合、「運動時間は通常5分以内に収めるのが良い」とされています。

僕の場合、2kmをほぼ全力疾走する場合、約7分は掛かってしまうので、(VO2maxインターバルとしては)長すぎます。

VO2maxに到達している間だけが、VO2maxの刺激になる

VO2maxを刺激する(= VO2maxを向上させる)ためには、酸素摂取量が最大値(VO2max)に到達できる運動強度で走り続けて 、最大酸素摂取量を実際にVO2maxに到達させる必要があります。そして、VO2maxに到達している間だけが、VO2maxの刺激になるとのこと。

なお、VO2maxに到達できる運動強度にするためには、早いペースで走るだけでなく、上り坂などを利用しても良いとのこと。上り坂などを利用して、呼吸がゼーゼーハーハーするような負荷を与えてやれば良いようです。

運動時間が5分より長いとどうなる?

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では、運動時間が5分より長くなるとどうなるのか。

運動時間が5分よりも長くなる場合、(運動強度が乳酸性代謝閾値(LT)以上なので、)血中乳酸濃度が高まり、
体内が酸性に傾いてVO2max強度での運動が継続できなくなるとのこと。

つまり、最初の3~5分間はVO2max強度で頑張れることはできても、それ以上は(頑張っても)強度が落ちてしまい、VO2max刺激という点では効果が無くなってしまうとのことです。

仮に、5分以上かかる距離を、最後まで強度を落とさずに一定ペースで走り切れるように(ペースを)調整したところで、そのペースはもはやVO2max強度ではない。そのペースはVO2max到達には強度不足となるので、VO2maxインターバルとは呼べません(この場合は、LT強度付近のペース走、あるいはクルーズインターバル走で、乳酸性代謝閾値の強化と心理的な耐久の強化が主な目的)。

また、たとえ5分以内の例えば1kmインターバル走でも、本数をこなしているうちにヘロヘロになって、VO2max強度から落ちるようでは、VO2max刺激という点では意味が無いとのこと。

運動時間が短すぎてもダメ。2分以上は必要

一方で、運動時間を5分以内に抑えれば、どんなに短い時間でもいいのかというとそうでもないようです。適切なVO2max強度で走って入れば、VO2maxに到達するまでには2分程度かかるとのこと。そのため、最低2分は走らなければなりません。

1本あたりの疾走時間が2分に達しない400mショート・インターバル走などでは、”単発で”VO2maxに到達することができません。そのため、酸素摂取量(VO2)を安静時に近づけないようリカバリタイムを短くし、何本かVO2max強度で走ってVO2maxに到達させるようです。

(400mなどの短い距離であってもVO2max以上のペースで走る必要はない。楽に感じる場合は、ペースを上げるのではなく、リカバリタイムを短くする。)

VO2max値はGARMIN(ガーミン)で計測できる

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ちなみに、ご自分の最大酸素摂取量(VO2max)が一体いくつなのか、知りたくありませんか。通常なら、専門施設で専用装置を使って計測する必要があるみたいですけど、最近はもっと手軽に測ることができます。

GARMIN(ガーミン)の最新GPSランニングウォッチ「ForeAthlete 620J/920XTJ」などでは、走行ペースや心拍数から、VO2maxの推定値を計測する機能が備わっています。これを使えばVO2maxの計測(推定値)なんて、ちょちょいのちょいです。すごい時代になったものですね。

僕も愛用していて、今のところの僕のVO2maxは「65(ml/kg/分)」です。ForeAthlete 620J/920XTJでは、VO2max推定値から、フル・ハーフなど各種目の予想タイムを算出してくれる機能もあります。「65」の場合は以下の通りです。

【予想タイム】

  •   5キロ: 15分53秒
  • 10キロ: 33分00秒
  • ハーフ: 1時間12分50秒
  • マラソン: 2時間32分26秒

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この予想タイムはあまりアテになりません。僕の実際の実力に比べて、あまりも速すぎます。

なお、実業団選手のVO2maxは70台が多いとのこと。あの川内優輝選手にいたっては、なんと「82.03」(2013年1月1日測定)。瀬古利彦さんが現役の時は「84」らしいです。もう、次元が違います。

【関連記事】最大酸素摂取量(VO2max) 川内優輝は82(ml/kg/分) 瀬古利彦さん84

LTペース走、クルーズインターバル走

一般的にインターバル走と言えば、最大酸素摂取量を最大限に向上させるVO2maxインターバル走のことを指すと思いますが、2km×数本(Rest120秒)や3km×数本(Rest180秒)など、長めのインターバル走もマラソントレーニング本では見かけます。

このような(VO2max強度には達しないけど)LT強度あたり走るインターバル走は、VO2maxインターバル走と区別するために、単に「2kmペース走を数本」、「3kmビルドアップ走を数本」と言ったほうが分かりやすいかもしれませんね。あるいは「クルーズインターバル走」というのが、このメニューを指す用語として近いようです。

もっとも、呼び方が何であろうと、どのメニューもきついことには変わりありませんけど。

この記事を書いていて、感じたこと

この記事を書いていて感じたことを、以下にちょいちょい書き出しておきます。

VO2maxインターバル走は、心肺機能強化でVO2max向上をはかる!?

VO2maxの向上には、「心肺機能」を強化する方法と「筋機能」を強化する方法があると聞いたことがあります。ここでのVO2max刺激とは、”「心肺機能」を最大限に刺激して強化する”という解釈でいいのでしょうかね。

VO2maxインターバル走は、乳酸がいっぱい生成・蓄積される運動強度なので、筋機能も強化(遅筋線維に多く含まれるミトコンドリアの数が増えたりして乳酸除去能力が向上)しそうなイメージを持っています。

SITは、筋機能強化でVO2max向上をはかる!?

「スプリント・インターバル・トレーニング(SIT)」という、30秒ほどの短時間で全力疾走するトレーニングメニューがありますが、このメニューもVO2max向上が目的と言われています。30秒の運動時間では、VO2maxを刺激できなさそうですけど、SITは心肺を刺激するのではなく、筋機能強化によりVO2max向上をはかっているようです。

ジョグでもVO2maxの向上は期待できる!?

ジョグなどでも強度の低い練習でも、心肺機能や筋機能に適度に刺激を与えられるらしいので、VO2maxインターバル走ほどではなくても、適度にVO2maxの向上を期待できるみたいです。

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